December 8, 2017

自分で作ってしまおう/『未来食堂ができるまで』



小林せかい『未来食堂ができるまで(小学館、2016)

ある日、新聞広告で見かけて、なんだなんだ? どういうことだ? と気になった本。『ただめしを食べさせる食堂が今日も黒字の理由小林せかい、太田出版、2016)

神保町(東京)にある未来食堂というお店が舞台のようです。
そこで、この本の前に出ていた、小林さんの『未来食堂ができるまで』を読んでみました。

店主の小林せかいさんが、未来食堂を立ち上げるまでを記録したブログをもとに作られた一冊です。

お店をつくろうと思ったその始まりのことから、いくつかの飲食店での修行話、物件さがし、お店をこしらえるまで、そしてオープンしてからのこと……。

未来食堂のことを伝えたい気持ちと、お店を始めたいという人にも参考になればとの想いもあって、いろんなことがつまびらかに書かれています。
実際、お店を始めたい人にとって、具体的に参考になりそうです。

始まりと経過の記録は臨場感があって、とても面白かったです。
事実がフィクションより面白いのは常のこと。
そう言っておいて、矛盾した言い方になるけれど、よくできているマンガを読んでいるようなワクワクする面白さがありました。
飲食店を始めたいと考えている人以外にとっても、仕事についてのヒントをもたらしてくれる本だと思います。

カウンターの12席を一人できりもりする店主のお手伝いをすると、一食分が無料になる「まかない」という仕組みがまた独特なのですが、「まかない」をしてくれる人のために書かれたガイドがきちんとマニュアル化されていて、それも巻末に公開されていて面白かったのでした。